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告知が2件です

Dec 15, 2016

CATEGORY : 映画

★映画監督作「世界は今日から君のもの」17年公開

 監督した映画「世界は今日から君のもの」が17年に公開されることになりなした。
[監督・脚本]尾崎将也
[出演]門脇麦、三浦貴大、比留川游、マキタスポーツ、駒木根隆介、YOU他
[音楽]川井憲次
[プロデューサー]三宅はるえ
[撮影]福本淳
「照明」市川徳充

 引きこもりの女の子が主人公のコメディです。門脇麦さんとは、14年に「ブラック・プレジデント」で初めて仕事をして、それ以来彼女を主演に映画を撮りたいと思うようになりました。それが実現したのがこの作品です。

 門脇麦さんのコメント(記事より)「ドラマでの出会いがこうして今作へ繋がったことがまず何より嬉しいですし、尾崎さんとの出会いに感謝しています。尾崎さんが描く役を演じていると、いつもその子を抱きしめてあげたくなるような、守ってあげたくなるような気持ちになります。真実ちゃんにもそんな気持ちを抱きながら、尾崎さんの物語の中の真実ちゃんが、そのまま画面に映っていますようにと、願いながら向き合いました」

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★書籍「3年でプロになれる脚本術」(河出書房新社)刊行

 このブログに書いていたことに、大幅に加筆して再構成したものです。他の脚本指南本とは違って、脚本の勉強とは、何を、どんなふうにやればよいかということを抽象論や精神論ではなく、具体的に書いたものになりました。たぶん他のどの本にも書いていないようなことが書かれていると思います。

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[尾崎将也公式ブログ 2016年12月15日]

サルでもドラマの主人公になれる時代

Mar 30, 2013

CATEGORY : 映画

「猿の惑星:創世記」(11年 ルパート・ワイアット監督)を見て、ドラマにおける「主人公」というものについて改めて考えさせられました。普通、ドラマは主人公の行動や感情を軸として進んで行きます。受け身なだけの人物や行動しない人物は主人公にはなりにくいものです。逆に言えば、そのドラマの中で一番行動している人物、物語を主体的に動かしている人物が主人公ということです。
ドラマを分析的に見るとき、まずは誰が主人公か見定める必要があります。大部分の作品は一目瞭然で主人公がわかりますが、中にはちょっと考えないといけない作品もあります。例えば「ローマの休日」の主人公はオードリー・ヘップバーン演じるアン王女ではなく、グレゴリー・ペック演じるジョー・ブラッドレーです。この物語は、ジョーがアン王女をローマの街を案内することで特ダネをモノにしようと考え、その目論見を実行することで物語が進んで行きます。アン王女が主人公のような印象を受ける人が多いでしょうが、分析的に見れば主人公はジョーだとわかるのです。
さて「猿の惑星:創世記」の主人公は、実験で知能が発達したチンパンジーのシーザーか、彼に知性を与える研究者のウィルか。ウィルは最初にシーザーに知能を与える役目を果たすものの、その後は状況に受け身的に振り回され、主体的に物語を動かしているとは言えません。それに対してシーザーは、知性を持ってしまったために環境に適応出来ず、劣悪な施設に入れられてしまい、そこで苦難を味わうものの、それを乗り越えて他の猿たちを配下に従えて脱走する、というふうに自ら物語を進めて行きます。やはり主人公はシーザーでしょう。
この映画でシーザーを主人公にすることは、かなり思い切った選択だったのではなかったかと思います。なぜかというとシーザーは人間ではなく猿で、しかもCGで作られたキャラクターだからです。これまでにも実写映画で人間ではない動物やロボットが重要な役割を果たす作品はありましたが、それらの作品で主人公になるのは人間でした。「猿の惑星」の一作目は主人公は猿ではなく人間のテイラー(チャールトン・ヘストン)だし、「E.T.」の主人公はE.T.ではなくエリオット少年です。
一方アニメーションでは、人間も人間以外の存在も絵で描かれている点は同じなので、人間ではないモノが主人公になるケースはいくらでもありました。例えば「モンスターズ・インク」のように。
実写の場合は、生身の人間の俳優が出ているので、その俳優を差し置いて動物やロボットを主人公にするのは気が引けるようなところがあったのだと思うのです。スターに出演を頼むとき、「主役はCGの動物です。あなたには脇役をお願いします」などとは頼みにくいでしょう。
「猿の惑星:創世記」を見ると、その一線が崩れ始めていることを感じます。ひとつにはCGの発達により、人間以外の存在を感情表現まで含めてリアルに描写できるようになったことがあるでしょう。
しかし、それによってドラマの本質が変わったわけではありません。脚本家にとっては、むしろドラマの表現の幅が広がったと歓迎すべきことでしょう。一方、俳優さんはCGに主役の座を奪われる可能性が出て来たわけで、うかうかしてられない時代になったと言えるかも知れません。

〔尾崎将也公式ブログ 2013年3月30日〕

映画分析の実例 「ゴースト」のヒロインはなぜヘタレなのか?

Mar 25, 2013

CATEGORY : 映画

先日、日本脚本家連盟の教室で、映画を分析する講義をしました。題材に選んだのは「ゴースト/ニューヨークの幻」。今回はこの講義で話したことのうちいくつかを紹介します。

「ゴースト/ニューヨークの幻」は90年に公開されたジェリー・ザッカー監督、パトリック・スウェイジ、デミ・ムーア主演の映画。これを講義の題材に選んだのは、非常によく出来たエンタテインメントで、面白くするためのテクニックが数多く使われているからです。以下に書くことは、この映画を見ていないと何のことかわからないので、まだ見たことのない人は見た上で読むことをお勧めします。

まず前にも書いた「物語を把握する」ということから。この映画は見終わった後の印象では、主人公の男女の愛を描いたロマンチックな映画という感じが強いです。しかし物語をよく見ると、「殺人が起こり、犯人を探して突き止め、犯人のさらなる悪事を阻止した上でやっつける」という「事件もの」の型を踏まえていることに気づきます。事件ものは普通なら刑事や探偵が主人公になって事件を解決しますが、この映画では殺された本人が幽霊になってその役割を果たすのがユニークなところです。そしてその物語をラブ・ロマンス的な要素でくるむことで、殺伐とした事件ものではなくロマンチックな映画という印象を観客に与えることに成功しています。

この作品は「カセ」を非常にうまく使っています。生きている人たちは幽霊になった主人公サムの存在を気づいてくれず、何かを知らせたくても手段がありません。また幽霊は物体をすり抜けてしまうので、物理的な作用を及ぼすことも出来ないのです。物語はサムがこのカセを克服しながら進みます。生きてる人とコミュニケーションを取るために、唯一コンタクトが取れる霊媒師のオダ・メイに頼むサムですが、恋人モリーはなかなかオダ・メイの言うことを信用しなかったり、せっかく一度信用してもオダ・メイの過去の犯罪記録を見てしまって信用が崩れたりと、次から次へとカセ(主人公が困ること)が押し寄せます。また主人公が頼りにする相手のオダ・メイや地下鉄の幽霊(物に触る方法を教えてもらう)が、単に親切な人ではなく、サムの頼みを断ろうとするところも、キャラの面白さになると同時に物語的なカセとして機能しています。

主人公の恋人・モリーは非常に「ヘタレ」なキャラとして描かれています。主体性というものがなく、恋人サムが死んでしまうとメソメソしているばかりで、あげくの果てにサムの友人カールに口説かれてキスされてしまったり。しかしモリーがもしこういうヘタレなキャラでなく、前向きにどんどん行動するキャラだとしたら、幽霊になった主人公のサムがやることがなくなってしまいます。サムが幽霊というカセを乗り越えて活躍するためには、モリーはこのくらいヘタレな女である必要があったのだとわかります。

ツイッターでフォロワーの人から、ラストでサムが「愛してる」と言ったのに、どうしてモリーは「同じく」と答えたのか? サムがせっかく「愛してる」と言ってくれたのだから「愛してる」と言えばいいじゃないかと思うのだがどうか、という質問が来ました。ここは確かに僕も一瞬「これでいいのかな」と思ったところです。しかしよく考えてみるといいような気がして来ます。サムは生きている間、モリーに「愛してる」と言えず「同じく」と答えてしまいます。でもこれは彼女を愛していないからではなく、照れ臭さや幸せへの恐れの気持ちがあって、素直になれなかったからです。彼は死んで幽霊となって、必死にモリーを守ろうと奮闘します。最後にはモリーもサムが自分を守ってくれていたことを知ります。モリーはサムが「同じく」としか言えなくても、ちゃんと自分を愛してくれていたことに気づくのです。このとき「同じく」は彼ら二人の間では「愛してる」よりも強い愛の言葉になるのです。だからモリーが「同じく」と言うのは、より強い愛の表現になっていると言えると思います。

以上は2時間の講義で話したことのほんの一部です。また、これらは「尾崎将也はこんなふうに分析した」ということであって、唯一の解釈ではありません。ただ、こんなふうに色々と考えて自分なりの分析をしてみることが大切なのだと思います。

〔尾崎将也公式ブログ 2013年3月25日〕

尾崎将也お勧め「名作映画100本ノック」補足

Jan 28, 2013

CATEGORY : 映画

先日書いた「尾崎将也お勧め「名作映画100 本ノック」に選んだ映画は、ほとんどが一般的に有名な映画ですが、中には意外と知られていない作品も何本かありますので、それらについて解説します。まあ、単に自分の好きな映画をみんなに見てもらいたいだけです。

「ファール・プレイ」(79年 コリン・ヒギンズ監督)
ごく普通の人がひょんなことから事件に巻き込まれ、命の危険にさらされたりしながらもついには事件解決の当事者となって行くという、「北北西に進路を取れ」と同じような巻き込まれ型サスペンスです。この映画の場合はヒロインがちょっと頼りないOLなのでよりハラハラ感が大きく、何よりヒロインを演じるゴールディ・ホーンが魅力的。一昨年、ついにDVDが発売されました。

「デーヴ」(93年 アイヴァン・ライトマン監督)
「トッツィー」と同じような「なりすまし」の物語。「トッツィー」は売れない俳優が女に化けて女優として人気が出てしまうお話。「デーヴ」は地方で大統領の物真似をやっている男が大統領の影武者としてホワイトハウスに入り込むハメになるという物語。どちらの映画もコメディ要素と正体がバレずにうまくやることが出来るかというハラハラ要素が見事にミックスされている上、「ホラ話」なのに「そんなわけないだろ」と思わせずに楽しめる様々な工夫が凝らされています。

「新幹線大爆破」(75年 佐藤純弥監督)
時速80キロ以下に落とすと爆発するという爆弾が新幹線の台車に仕掛けられ、停車出来なくなる。車内の人々、解決に奔走する国鉄の人々、犯人を追う警察、そして犯人たちが平行して描かれるサスペンス・パニック映画の傑作。これでもかと危機が押し寄せるサービス満点の作品。「スピード」の元ネタと言われる映画です。「スピード」では爆弾を仕掛けられるのがバスなので、「止まれない」ということにやや無理がありましたが(たまたま渋滞にぶつかったらどうするのか。犯人はそういう場合は爆発してもいいと思ったのか?)、その点は新幹線の方が説得力があります。

「ミュージック・ボックス」(89年 コスタ・ガヴラス監督)
優秀な弁護士が、被告の無罪を立証しようと努力し成功するが、果たして本当に無罪だったのか......という「情婦」や「白と黒のナイフ」と同じ型の物語。この作品がユニークなのは、主人公の弁護士が女性で、弁護するのは彼女の父親だという点。父親の無罪を証明しようとするのは娘として当然だし、逆に父親に疑いを持ってしまったときの娘の心の葛藤もより強いものです。クライマックスで意外な事実が判明するシーンは、単に「事実はこれです」と情報を提示してびっくりさせるだけでなく、感情が揺さぶられるようなインパクトのあるシーンになっています。残念ながらDVDは未発売。

尾崎将也お勧め「名作映画100本ノック」

Jan 26, 2013

CATEGORY : 映画

先日、ツイッターで「脚本の勉強のために見るべき映画を百本教えてやると言っても、では教えてくださいと言う生徒はいない」とつぶやいたところ、「その百本教えてください」というリプライが来ました。というわけで尾崎将也お勧めの百本をリストアップしてみました。ここにあるのは僕が過去に見た映画の中で、「脚本の勉強に役立つと思う映画」または「脚本を勉強する者として見ていないと恥ずかしいのではないかと思う映画」です。好きな映画でも脚本の勉強の役には立ちそうにないものは入れてません。結果的には、ごく一般的な名作リストとそう変わらないのではないでしょうか。「えっ、そんなの入れるの? 」というものはほとんどないと思います。そういう意味ではあまり面白味のないリストかも知れません。大体時代の古い順ですが、調べた上で年代順に書いているわけではありません。前半が外国映画、後半が日本映画です。「ミュージック・ボックス」と「泥の河」は残念ながらDVDは出ていないようです。あと、「男はつらいよ」は一本を選ぶことは出来ないので「シリーズ」としています。

「風と共に去りぬ」「街の灯」「或る夜の出来事」「カサブランカ」「第三の男」「市民ケーン」「ローマの休日」「素晴らしき哉、人生!」「麗しのサブリナ」「アパートの鍵貸します」「昼下がりの情事」「情婦」「サンセット大通り」「十二人の怒れる男」「レベッカ」「北北西に進路を取れ」「サイコ」「見知らぬ乗客」「太陽がいっぱい」「道」「山猫」「冒険者たち」「アラビアのロレンス」「ベン・ハー」「大脱走」「博士の異常な愛情」「戦場にかける橋」「俺たちに明日はない」「明日に向かって撃て!」「真夜中のカーボーイ」「ゴッドファーザー」「ゴッドファーザーPARTⅡ」「チャイナタウン」「スティング」「ジョーズ」「クレイマー、クレイマー」「トッツィー」「狼たちの午後」「評決」「ダーティ・ハリー」「タクシー・ドライバー」「アニー・ホール」「ダイ・ハード」「ゴースト/ニューヨークの幻」「デーヴ」「ビッグ」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「羊たちの沈黙」「セブン」「ミッドナイト・ラン」「ミュージック・ボックス」「ギルバート・グレイプ」「愛と青春の旅立ち」「ジャガーノート」「ロッキー」「ファール・プレイ」「恋人たちの予感」「E.T.」「タイタニック」「刑事ジョン・ブック/目撃者」「ウォール街」「バタフライ・エフェクト」「レスラー」

「生きる」「七人の侍」「用心棒」「椿三十郎」「羅生門」「野良犬」「悪い奴ほどよく眠る」「天国と地獄」「赤ひげ」「東京物語」「晩春」「麦秋」「早春」「女の園」「二十四の瞳」「近松物語」「雨月物語」「西鶴一代女」「めし」「浮雲」「乱れる」「ゼロの焦点(61年)」「日本のいちばん長い日」「切腹」「砂の器」「華麗なる一族」「家族ゲーム」「泥の河」「幸福の黄色いハンカチ」「男はつらいよ(シリーズ)」「祭りの準備」「青春の殺人者」「太陽を盗んだ男」「マルサの女」「Wの悲劇」「新幹線大爆破」「たそがれ清兵衛」

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