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プロットの枚数はどうでもいい

Aug 16, 2018

CATEGORY : 脚本

 「プロットを直しているうちにどうしても長くなってしまいます。これでいいのでしょうか」という質問が来ましたので、それに対する回答です。
 結論としては、プロットの長さはどうでもいいです。教室などでプロットを提出するときに「何枚以内」などと規定があるかもしれませんが、別にその枚数が「プロットの正しい長さ」ということではありません。
 大事なのは、プロットの長さよりも出来上がるドラマの時間的な長さです。それは脚本の枚数と比例します。1時間ドラマ(正味45分)の脚本は四百字原稿用紙で60枚程度です。
 通常プロットを書くときは、コンクールに出すのが目的にせよ、教室の課題にせよ、目標とする脚本の長さが決まっているはずです。思いの向くままに書いて、どんな長さになるかは成り行き次第というのは小説ならあるかもしれませんが、脚本の場合は必ず目標とする長さがあるのです。従ってプロットを書く時点で最終的なドラマの長さ(=脚本の長さ)を意識する必要があります。

 プロットが長くなってしまうというときには、二つの可能性があります。
①時間的な長さが長い(1時間もののつもりで書いたのに2時間になってしまうというようなこと)。
②詳細を描き込んだので長くなる。
 長くなる原因はこの二つか、それが混合したものです。この二つは大きく違います。②で長くなることは何の問題もありません。色々考えるうちにディテールを思いついて、それを書き込むことで長くなるというのはあることです。例えば「<A>二人はひょんなことで知り合う」というのを、「<B>二人は道で肩がぶつかり、片方が持っていたものを落として壊してしまう。弁償するのしないのということでモメるうち、お互いが同郷だということがわかり、いつしか打ち解ける」などと具体的な中身を書くというようなことです。<A>より<B>は文字数は長いですが、出来上がったドラマ(脚本)の二人の出会いのシーンの長さが変わるわけではありません。
 <A>のプロットで脚本を書こうとした場合、二人がどうやって出会うかという具体的な中身は脚本の作業の中で考えることになります。それに対してプロットで<B>まで出来ていれば、それを脚本に起こして行く作業になります。どっちにしても考えなければいけないことを、プロットの段階で考えるか脚本の段階で考えるか、という違いでしかありません。これはどちらが正しいということはありません。それぞれやりやすい方でやればいいのです。


 そのことと、①のプロットが長いせいで作品自体が長くなることは全然別のことです。1時間ドラマのコンクールに出そうとしているのに2時間のプロットになってしまったとしたら大きな問題で、これはプロットの段階で解決しなくてはいけません。今回の質問をした人は、自分のプロットが長い原因が①なのか②なのかを見極める必要があるでしょう。


 2時間ドラマのプロットを1時間ドラマにしようというとき、ところどころカットすればいいということはありません。1時間ものと2時間ものでは構造が違うので、そこから考え直さなくてはなりません。ところどころカットしたり書き足したりして長さの問題が解決するのは、僕の経験では1~2割長いか短いかという範囲です。それ以上になると上に書いたように構造の問題になってきます。
 しかし、自分が書いたプロットが脚本にしたときにどのくらいの長さになるかというのは、初心者のうちにはなかなかわからないでしょう。これは何本も書いてみて試行錯誤しながらつかんで行くしかありません。

[尾崎将也 公式ブログ 2018年8月16日]

 

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