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「スランプ」の定義づけと対処法

Dec 15, 2013

CATEGORY : 脚本

久しぶりの更新になってしまいました。

よく「スランプのときどう対処しますか?」というような質問を受けます。今回はそのことについて書きます。(ツイッターで質問を募集しておきながら、回答が遅くなってすみません)

ネットの辞書で「slump」を調べると、暴落、がた落ち、不況、不景気、不評、不人気、不調、不振などと出ています。大体、日本語でスランプというときと同じ意味です。ただ「暴落」という規模の大きいものから、「不調」「不振」という日常的な感じのものまで幅があるようです。

脚本家の「スランプ」も同様に、程度の幅があると思われます。大は「作品の不評、低視聴率が続いて、あの脚本家はもうダメだな、などと言われるような状態」または「何年にもわたって脚本家が書けない状態」。これでは脚本家として生活して行くこと自体が危機に陥ります。
一方、小は「日常の創作活動の中で、ここをどうしようと悩んだり、いい案がなかなか出ないで悶々としたりする状態」。これは日常的にしょっちゅう起こることで、脚本家に限らず創作する者にとってはあって当然のことです。
「スランプのときどうするんですか」と質問する人は、おそらく後者の日常的な方を聞いているのだろうと思います。

しかし僕は、日常の創作活動の中で悩んだり悶々としたりすることをスランプ、つまり不調と名付けるのことには違和感があります。例えば登山をしていれば、途中難所があるのは当然です。難所にさしかかって苦労している登山家を見て、「彼は不調だ」というでしょうか。いつもなら簡単にクリア出来るような場所で手こずっていたなら、不調と言えるかも知れませんが、難所で苦労すること自体は当然のことであって、不調でも何でもないのです。
だからそういう状態にどう対処するんですかと聞かれたら、「そこから抜けられるまでウンウンと悩みます」としか答えようがない感じです。その状態をある程度の時間で切り抜け、それなりの答えを見つけることが出来るからプロとしてやっていられるのだと思います。

まだプロになっていない人や新人の人が「スランプをどうやって乗り切るのか」ということを考えるときには、上に書いたのとは別の次元でスランプの定義付けをする必要があると思います。その定義付けとは、次の二つです。①畑で作物を育てながら、どうすればもっと大きく育つかと悩んでいる状態。②砂漠に種を蒔いて芽が出ないと悩んでいる状態。
畑で作物をより大きく育てようとするとき、どうしたらいいだろうと悩んだり、試行錯誤したりすることは当然かつ必要なことで、その悩みや試行錯誤があるからこそいい作物が生まれます。これはクリエイターにとって、あって当然の日常的な悩みです。上に書いた山登りの途中で難所に出会って苦しむのと同じことです。
一方、砂漠に種を蒔いても芽が出ることはありません。土台無理なことをしているわけで、そこで成果を得ようとすること自体が間違っています。では成果を得るためにはどうすればいいかと言うと、「砂漠」を「畑」に変化させることです。
自分がもしスランプだと感じたとき、それは畑で作物をより大きく育てようとして悩んでいるのか、それともは砂漠に種を蒔いて芽が出ないと悩んでいるのかを見極めなければなりません。そしてもし後者だとしたら、その悩みは不適切であり、本当は砂漠を畑に変化させることで悩まなければいけないということになります。悩んだり試行錯誤すること自体は当然かつ必要なとこです。問題は、今の自分にとって適切な悩みを悩んでいるか、ということです。
では砂漠を畑に変化させるにはどうすればいいのか。そのあたりのヒントは、以前書いた「P/PCバランス」に書いてありますので、合わせて読んでみてください。

※今後も脚本の書き方や勉強法に関して質問がある人は、ツイッターの方でどうぞ。ただ回答までに時間がかかる場合があることをご了承ください。

〔尾崎将也 公式ブログ 2013年12月15日〕

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