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コンクールに入選。それからどうする?

May 01, 2014

CATEGORY : 脚本

フォロワーの人から、「あるコンクールの佳作を受賞したのだけど、これからどうすればいいでしょうか」という質問をもらったので、僕なりに答えられることを書いてみます。

まず認識する必要があるのは、コンクールに入選することイコール「脚本家という職業に就職すること」ではないということです。コンクールはあくまで「おめでとう」と言われて賞金など貰えば、それで一旦終りです。では、そこからプロになるためにどんなルートがあるのでしょうか。
そもそもプロの脚本家になるというのはどういうことでしょうか。脚本家に仕事を依頼するのは、テレビ局か製作会社のプロデューサーです。プロデューサー(以下P)が、ある仕事を始めるとき、「今回の脚本はあの人に書いてもらおう」とある新人に仕事を依頼し、新人もその期待に応えてOKが出る脚本を書き、脚本料をもらったとき、脚本家としてデビューしたと言えるのです。
Pが、まだデビュー前の人に「この仕事はあの人に頼もう」と思うには、Pがその人が書いた脚本を読み、「この人は力があるな」とか「一度仕事してみたいな」などと思うことが必要です。その人の書いた脚本を評価しているという状態がない限りは何も始まらないのです。
プロの脚本家になる上で、コンクールに入選することは、Pに脚本を読んでもらうための一番の早道だと言えます。特にテレビ局主催のコンクールは、自分の局で使える新人を発掘するためにやっているわけで、その局の複数のPに作品を読んでもらえるチャンスです。読んでもらい評価してもらうという意味では、必ずしも大賞である必要はなく、佳作とか最終選考でもいいのです。実際、フジテレビ・ヤングシナリオ大賞では、大賞でなく佳作や最終選考に残った人の中からプロになった人が複数います。

逆にコンクールで賞を取ったのに、その後仕事の話が来ることもなく、そのまま終わってしまうということも珍しくはありません。これはPとの出会いがなかったということでしょう。
だから賞を取った人がどうすればいいかと言えば、少しでも自分の作品を気に入ってくれたPとコンタクトを取って親交を深めるように努めるということでしょうか。このとき具体的にやることが、企画書やプロットを書くということです。相手から依頼があるとこともあるし、自分から何か書いて持ち込むということもあります。これはその企画が実際に採用されるかどうかよりも、Pとつきあいを深めて行くことが目的だと言っていいでしょう。
しかし人の出会いというものは全く予測不可能で、そうやってやりとりしていたPとは結局仕事をすることはなく、関係ないところからひょっこりと仕事の話が来たりすることもあります。
ついでに言うと、プロになる道としては、コンクールの入選以外に「紹介」と「持ち込み」があります。紹介は教室の講師の脚本家などに知っているPを紹介してもらうということです。持ち込みは自分でPを選んで「読んでください」と作品を持って行くというパターン。どちらにしても、あるコンクールで賞を取ったということはアドバンテージになります。紹介する人も「この人はあのコンクールで賞を取ったんですよ」と言うと紹介しやすいし、持ち込みの場合も読んでもらいやすくなるでしょう。
一方、コネさえあればプロになれるというようなことは全くありません。Pだって面白いドラマを作らなければいけないのだから、力があるかどうかもわからない人に仕事を頼むはずがありません。逆に言えば、面白いものを書く力を持っていれば、どこかで相性のいいPと出会うことがあるはずです。
前に書いたかも知れませんが、勉強して実力をつけることが川の土手を上流に歩いて行くことだとすると、プロになることは向こう岸に渡ることです。上流に行けば(実力をつければ)、渡る橋は必ずあるものです。橋がなかなか見当たらないとすれば、もっと上流に行かなければいけないのだと思った方がいいでしょう。

[尾崎将也 公式ブログ 2014年5月1日]

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